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「友情」を読んで


2年前に亡くなった平尾誠二さんとiPS細胞研究所所長の山中伸弥さんの
交流を書いた「友情」を一気読みしました。

平尾さんのお別れ会で、山中さんが述べられた内容が
とても心に残っていたので、興味深く読めました。

特に平尾さんが語ったという、人を叱る時の4つの心得が
印象的でした。
(プレーは叱っても人格は責めない
 あとで必ずフォローする
 他人と比較しない
 長時間叱らない)
これを聞かせたい上司は、たくさんいますよね?(笑)
親子関係にも言えることですが。


山中さんはノーベル賞を受賞し、世間の衆目を集める中でも
なんて謙虚な人なんだろうと思って見ていました。

NHKの番組で渡辺謙さんとの対談を見たときも
なんて気取らない人なんだろう、と思っていました。

遠く離れたところにいる人だけれども、
真心があり、誠意がある人であり、
本当に教養があるというのは、こういう風に何事にも
謙虚に向き合い、自分の弱点もさらせる人なんだなあと感じていました。

手術が苦手で「ジャマナカ」と呼ばれていたという話は
有名になりましたね。

今回、この本で、平尾さんとの交流を読み、
今までの私が勝手に抱いていたイメージを
ひとっつも裏切らない人だなあとまたまた、感じ入りました。

時折出てくる山中さんの奥様もまた思いやりのある、
素晴らしい人でした。

そういう意味で山中さんは、私の思っていた通りの方だったのだけれど、
一方の平尾さんは、よい意味で私の思っていた方とは
少し違いました。

平尾誠二といえば、私たちの時代、ラグビーを知らない人でも
知っているスター選手でした。
この人が行くところ、行くところ、優勝するという
そういう星の元に生まれた、生まれながらにして光の当たる場所に
生きている人なんだろうと思っていました。

実際、その昔、友人が神戸製鋼所に派遣で仕事に行ってて
たまたま平尾さんをお見かけしたことがあって、
「もうかっこよすぎて、言葉が出ないくらい、光り輝いていた」と
いう話を聞いたのも印象に残っていたので、
私の中では、勝手に「生まれながらにして恵まれた人」という
イメージが定着していました。

でも、この本の中の平尾さんはとても努力家で、
クレバーな方でした。
ラグビーに対しての考え方はもちろん、人生についても
深く考察し、温かいまなざしをもった紳士でした。

闘病生活、また家族との関係も実際には
本に書けないこと、たくさんあったと思います。
そんなきれいごとだけで生きて来られたなら
これだけのことを考えて、話せないだろうと思わせる
内容でした。

一方で、山中さんが
「平尾さんには言葉を超えたオーラがありました。
周囲の人を緊張させる氷のようなオーラではなく、
人を笑顔にし、元気にする、おひさまのようなオーラです。
・・・彼の周りに集まるとなぜか皆にこにこ顔になり、
子どもみたいにワーワー、キャーキャー。
平尾誠二は、そういう幸せオーラを発する稀有な人でした」と
書いています。

私がイメージしていた「生まれながらにして恵まれた人」
ではないにしろ、そういう人を引き付けるものを持って生まれた人
だったのではないかなと、思いました。

それにしても、やっぱり53歳は若すぎますね。
才能のある、これからもきっと世の中の役に立ったであろう人を
どうしてこんなに早く神様は召されるのでしょうか。

ご自身が「歳を取った自分を想像できない」と感じていたのは
きっと何かの暗示だったのでしょうね。
短くとも濃い人生を走り抜けて、周りの人々に強烈な印象を残した
という意味では、本当にスターだったのだなあと思いました。

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