なおみ庵

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「疲れたら休め、彼らもそう遠くには行くまい」


今住むマンションに引っ越してきてから
ずっと仲良くしている友人がいます。

その友人からご主人が倒れたと聞いたのは
昨年の夏。

大病を患われましたが、年が明けて
ようやく退院され、
先日快気報告のお手紙をいただきました。

この春には、お仕事に復帰されるとのこと、
それを目標にご夫婦で、ご家族で
あらゆるリハビリをやってこられた様子を
時折お聞きしていました。

社会復帰が叶うまで、
本当に、よくここまで頑張ってこられたなと
ご主人が多分、リハビリを兼ねてパソコンを
打たれたことを思い浮かべながら
お手紙を繰り返し、読みました。




昨年の9月28日の新聞記事を私が書き写したものが
手元にあります。
読売の藤井泰介さんという方が書かれた
「今日のノート」です。



昨年3月、ある会合で歌人の永田紅さんと
久々に顔を合わせた席上、
かつて私が依頼した随想のことが話題になった。
主題は母親で同じく歌人の河野裕子さんが
高校時代、病で1年間休学した際に支えとした言葉
「疲れたら休め、彼らもそう遠くには行くまい」
そのツルゲーネフの一文は河野さんの口癖となり
永田さんにも染み込んで
「先が見えずに焦る時など、おまじないのように
私を保っている」という内容だった。

その1週間後、思いもかけずこの言葉を
頼りとする日々が始まった。
体調不良で受診した先で血液のがんが発覚したのだ。
1年半近くの療養を経て、
この夏、ようやく職場に戻ってきた。

「彼ら」とは誰か。
治療中、何度も言葉を反芻し、自問を繰り返した。
私なりに見つけた答えは
「病に倒れなかった自分」

周囲に迷惑をかけることの申し訳なさ、
先行きが見えないことの不安・・・。
中でも仕事を続けられていたなら、と考えることが
最もつらいことだった。
だが、休みを余儀なくされたことで
別の道を見つけることもあるかもしれない。
再発を防ぐ維持療法は継続中で、
不安はまだ消えないが、今もそう言い聞かせている。
現代の日本で、がんは二人に一人がかかる病気だ。
ありふれていながら、
やはりやっかいなこの病と闘う仲間たちに、
この言葉を知ってほしいと思う。



この記事が目に留まったのは、
河野裕子さんの随筆を読んだことがあって、
そこにも書かれていた、
「疲れたら休め、彼らもそう遠くには行くまい」
の言葉が印象に残っていたからでした。

でも、「彼ら」とは誰か、をのんきに私は
ここまで考えませんでした。
「病に倒れなかった自分」を「彼ら」だという
思いに至った藤井さんの苦悩は
どんなに深いものだったのでしょう。


友人と、彼女のご主人には、
(がんを患われたのではありませんが)
どうぞ焦らず、まだ先が長い人生を
ゆっくり歩いて行ってほしいと
心より願っています。



Comment

Post Comments

(設定しておくと後でPC版から編集できます)
非公開コメント

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。