なおみ庵

江國香織さん 講演会


第51回谷崎潤一郎賞受賞記念の特別講演会が
となりまちの芦屋であり、作家の江國香織さんが来られるというので、
聴きに行ってきました。

受賞作品は「ヤモリ・カエル・シジミチョウ」で、
実は私はまだ読んでません。
講演会に行くことになった1か月前に図書館に予約したのですが、
間に合いませんでした。
(まだ予約待ち順番は4番目だから読めるのは来年かな)

女性新聞記者との対談という形の講演で
600人の会場がほとんど埋まっていました。

江國さんはこの小説で
「言葉を持たない生物の方が多いこの世に
言葉で限定されない世界」を書きたかったそうです。
それを「言葉」で書くのだから難しかったとも
言ってたけど。

人は誰しも言葉を持たない時間があって
たとえば「ミルク」という言葉を知らないまま
「ミルク」を飲んでいたという状況があったはず。

主人公の「たくと」は幼稚園児で、外界を感知はするが
言葉で表現できない、少し言葉を発するのが遅い子どもとして
設定されています。
だけど、ヤモリなどの生き物とは通信できるらしいです。

言葉を持たない時期には、そういう感性が備わっているのに、
言葉が発達すると、そういう力は忘れ去られるという話は
どっかで聞いた気がするけど、
この小説もそういう話なのかな、とちょっと思ったのですが
どうもそれとは、違う方向に向かっているお話のようです。


そして、江國さんは、言葉を持たないものの中に
死者も含めたい、と話していました。

亡くなったご両親には、亡くなった後の方が
よく話をすると言ってました。
姿はなくても、声には出さなくても
その人の中に存在するならそれはその人の世界に
「いる」ということだから。

3年ほど前に、目が見えなかった飼い犬を亡くしたそうで、
その子と暮らした経験もこの小説を書く力にはなったと
言ってました。


江國さんは、最近、外国の本を翻訳したり、
古典を現代語訳したそうですが、
これは、ストーリーを考えなくてよくて、
言葉とだけ向き合える、とても楽しい作業だったと
話していたのも印象的でした。

あと、谷崎潤一郎やご自身のエッセイの話などもされてましたが、
やはり言葉がおかしいのは気になるらしく、
先日、旦那様と東北の方の温泉に行って
懐石料理を食べていたら、お店の人が
「これは、ブロッコリーでございます」
「これは、ステーキでございます」と、
見ればわかることをいちいち言うのに閉口していたら
最後は「こちらは、栗を甘く炊いたものですので、
よろしくお願いします」って言われちゃったのよ~!
で、会場がどっと笑いました。


雨は午前中で上がったものの、急に寒くなった日だったけど
30分自転車漕いで出掛けてよかったです。

早く受賞作読んでみたいな~。

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